Radiohead の Pyramid Song のリズムを感じる方法
Radiohead の Pyramid Song のリズムは、トム・ヨークが弾くピアノが変なところで鳴っている感じがするのでものすごく難解な変拍子だと思っている人がいたりする。左右対称のピラミッドの構造が隠されていて云々と言う人も見たことがある。
しかし、実際はそこまで複雑な話ではない(と思う)。
「要するにこれはシャッフルの曲なんだ」と思えばうまく感じられるようになる人が多いと思う。
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1 2 3 4 1 2 3 4
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ずっとこれの繰り返しである。1,2,3,4 はハイハットだと思ってほしい。*
はピアノだ。これを左右の手でやってみると、どういうことかよくわかる。
ピアノを3発鳴らした後の、「フッ」となるところが「2小節目の1」だからややこしく感じる。まるで次の始まりが2小節目の2拍目かのように感じてしまったりするかもしれない。
そして、上のパターンを引き伸ばしたものが1サイクルであり、以下のようになっている。
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1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4
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1-2小節目と3-4小節目は、リズムパターンとしては、やっていることは同じである。しかし、当然コードが違うので聴いたときにパターンを見出すのが難しい。
また、2-3小節目をまたぐところ、さらに、4からまた1小節目に戻ってくるときもまたいでいるので、益々わけがわからなくなってくる。後半のドラムが入ってからの部分(2分5秒~)を聴いてなじませていくのが良いと思う。ドラムは区切りでオカズを叩いてくれるし、シャッフル感もわかりやすい。
この楽曲が発表された当時、ずいぶん苦しんだ。知り合いのドラムの達人に頼んで当時BSで放送されたライブ映像を一緒に見た。その達人は後半、ドラムが入ってくるあたりから入念に観察し、そして耳を澄ましていたが、ほどなくして「シャッフルじゃん」と言い放った。
シャッフルだ。チーッチッキチーとか、いろんな言い方があるが、そういう感じでやっていると見なせば良いと思う。
「ジャーつっジャーつっジャーンっ、 ジャーつっジャーつっジャーつっジャーつジャーっ、ジャーつっジャーつっ」 場合によってはこんな区切りに感じるかもしれない。ピアノを中心に考えてしまうと3, 5, 3とか変なパターンを見出してしまう。別にそれでもいいのかもしれないが、それだとおそらく歌えない。
片手をハイハットのつもりで1, 2, 3, 4、もう片方の手はピアノ、としてリズムを刻んでみるとわかる。
例えば右手で1,2,3,4と繰り返し膝を叩く。左手は1のときは右手と一緒。次は、右手が2を叩き、3のために上げているとき、つまり2.5のときに左で膝を叩く、そして4は右手と左手で同時。2周目の1は、右手だけ、サイクルがずれる。2のときに両手、3.5で左手となる。3周目は1周目、4周目は2周目と同じことをする。
1,2,3,4 と口で言ったり、足踏みしたり、頭の中で感じながら、ピラミッド・ソングを聴くことできたらそれはもう完全に理解したということになるのではないだろうか。
これもまた、わかったからといって何なの、という話だ。だが、馴染んでくるとなかなか快感なので挑戦しがいがあると思う。