免許と言えば何か、自動車免許と答える人が多いかもしれない。医師や弁護士のような職業の人は違うかもしれない。料理人なら調理師免許だろうか。
自動車免許を取得して、初めて自分の生まれ育った街を運転したとき、「大人になった(気がする)」という類の感慨が押し寄せてきた。次に湧いてきたのは、位置関係を把握したという欲求だ。あの小道はどこに繋がっているのか、などというような探究心のこと。
子供時代は広大に思えた街も車で外周をなぞるだけならそれほど時間は掛からない。問題は小道や裏である。入口だけ、表側だけ見ていたあの光景の奥へ、裏へ行ってみたくなる。
この微妙な欲求を抑えるべきか、大したものなどないだろうと知りつつそれでもいいと入ってくのか。