「新下駄配列」格子配列キーボードに合わせた配置カスタマイズ
私は日本語の文字入力に新下駄配列を使っています。慣れるまで時間はかかりましたが今ではとても快適です。
この新下駄配列は通常のキーボード(各段でキーが半分ずつズレる配置)で打ちやすいように文字の配置が決められているため、格子状レイアウトのキーボードでは若干使い心地が変わります。
個人差があるとは思いますが、私が気になったのはて
(QWERTY配列のN)です。格子レイアウトではN
は通常レイアウトよりもJ
からの距離が遠くなってかなり打ちにくいキーになります。
それまでN
は「打ちやすさランク上位の常連」だったのに、B
並のランクに格下げとなってしまいました。
そのままでも許容範囲なのですが、より快適な入力を求めて少し最適化を施します。
※訂正。ergodox は完全な格子型ではありません。毎日使っているくせに気づきませんでした。私にとっては微妙な違いですが、人によっては使用感が大きく変わる部分かもしれません。

ergodoxは縦も微妙に位置がズレており、そのおかげでQ
とP
、T
やY
が打ちやすくなり、N
が遠くなっています。
だからN
が打ちにくいというのは格子配列一般に言えることではないかもしれません。完全な格子型であればN
はもう少しだけ近くなるので印象は違うのではないでしょうか。
新下駄配列・格子配列に合わせたレイアウトへ変更
デフォルトのレイアウト
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ー | に | は | 、 | ち | ぐ | ば | こ | が | ひ | げ |
の | と | か | ん | っ | く | う | い | し | な | |
す | ま | き | る | つ | て | た | で | 。 | ぶ |
変更後のレイアウト
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ー | に | は | 、 | ち | ぐ | て | こ | が | ひ | げ |
の | と | か | ん | っ | く | う | い | し | な | |
す | ま | き | る | つ | ぶ | た | で | 。 | ば |
変更する前に確認したいこと
新下駄配列のキー配置はそれぞれの文字の出現率や連接、打ちやすさなど計算して決められているので迂闊に手を加えると使い勝手が悪くなる可能性が高いです。
たった1つの入れ替えが全体のバランスを大きく崩すことになるかもしれません。
ですので、配列の変更は慎重になったほうがよいと思います。
私もa
や;
をシフトキーにして拗音をいくつか登録して使ってみたのですが、ロールバックで入力できる連接が減ってしまうので結局元に戻しました。
この記事のN
とU
の入れ替えもそこまでいいもんではないと思います。
それまで下段にあったキーが上段に移動するってけっこう大胆な変更です。運指の方向が変わるので、入力する単語によっては思わぬ違和感が発生する可能性大です。
デフォルトのキー配置がなぜこうなっているのか確認
デフォルトのキー配置がどのように決定されていったのかは作者kouyさんのブログを読むとよくわかります。
作成期を読んでヒントを探します。
通常のキーボードと格子配列ではN
とU
の打ちやすさが逆転している
新下駄配列作成記の18 人差し指の同指配置。N
は打ちやすいキーという前提で話が進んでいきます。
つまり「N
は打ちやすい」から、出現率の高いて
の担当になっているのです。
同じく人差し指が担当するU
は候補に挙がってきていません。なぜなら「打ちにくい」からです。
ところが、格子配列のキーボードは同じ人差し指の担当のN
とU
の打ちやすさが逆転しています(個人の感想です)。新下駄配列の配置決定の前提とは条件が違っているということです。
だから、N
とU
は入れ替えても使い勝手が大幅に変わってしまうことはないと思います。
N
と/
はどっちが打ちやすいか
どさくさに紛れてば
とぶ
も入れ替えます。
/
は格子配列になると右手小指をまっすぐ下ろすだけの位置に来るのでまあまあ打ちやすいキーに格上げされます。少なくともN
よりは楽です。
新橋
のば→し
が打ちにくいような気がしないでもないですが、な→し
のときとそれほど変わらないのでとりあえず良しとします。使いつつ判断。
「せ」「ね」「わ」「ぽ」も変更
破壊的な変更をすると新たに覚ることが増えてしまうためできれば避けたいのですが、N
周辺だけはやってしまいます。
入力ペア | 出力文字 |
---|---|
D +M | せ |
E +M | ね |
S +. | わ |
A +. | ぽ |
せ
とわ
を変えたいだけなのにね
とぽ
を巻き込むことになりました。
せ
はね
よりもよく使うのでね
の元の場所を奪います。とはいえね
もよく出てきますし、ん
との繋がりが打ちやすいほうが気持ちいいのでE+M
に配置。右手はそのまま、左手が上に1段ズレるだけなのですぐ慣れます。
わ
はぽ
の場所を奪います。代わりに、ぽ
はA+.
に設定。右手はそのまま、左手が1つ左にズレるだけなのですぐ慣れます。元の位置と近いせいで逆に混乱するかもしれませんが。
これぐらいの変更なら、年
やポイント
のような単語の打つときの指の動きがも以前とほとんど変わらないので違和感なく使用できます。※個人の感想です。
「て」「ば」「ぶ」に合わせて裏面も変えてしまうのも良いかもしれない
上のようなまどろっこしいことをするくらいなら、て
とば
とぶ
の3文字すべて表面と裏面セットでまるごと入れ替えたほうがいいかもしれません。
そのほうが混乱しなくていいかも。
N
を親指で打ってしまう。
今までの話が吹っ飛んでしまいますが、これが出来るなら一番良いような気がします。
右手親指がスペースや機能キー(無変換をエンターやシフトなど)を担当させている場合少し窮屈になるかもしれません。
エンターぐらいしか使っていないのであれば、親指でN
を打ってもそんなに負担にならないと思います。
格子配列の問題点は下段
私は格子配列は最高!とは思っていません。まあまあベターぐらいな感じです。
一直線に並ぶのが必ずしも最適とは限りません。
上段のT
とY
は飛躍的に打ちやすくなって感動したのですが、代わりにP
との距離がまた一歩遠のきました。
そしてなんといっても右手の下段が悲しい。これならむしろ半分ズレたままのほうが良かったです。
今までJ
とM
とN
はすごく仲が良かくて、特にM
とN
は色んな意味で瓜二つな存在だったのに、急にN
だけが仲間外れになってしまいました。
こうなったら下段だけがズレているキーボードを自作するしかないようです。そうしたらまた配列を元に戻すのか…?
はたまた、完全に配列を自作するか…。
まとめ
配列いじりは「あちらを立てればこちらが立たず」になりがちです。
完璧は諦めてどこかで妥協するしかないのですが、なかなか難しいもんですね。
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